新年になると目標って立てるもので、私も今年は一丁前に目標を立てたりもしましたが、年末になると達成できなくて絶望するのが恒例行事だったりします。
いや絶望しているほうがまだ希望があるかもしれません。人によっては立てた目標すら忘れているかもしれませんから…。
で、毎年、どうしたら目標を達成できるのかを一瞬考えたりするわけですが、考えていいアイデアが生まれるなんてことは大体ないわけです。仕方がないので、目標を達成したときって「どんなんだったっけ?」って振り返ってみると、「あと一歩でゴールだぁ」ってときはモチベーションが高まっていた気がするんです。
自衛隊であれば「腕立て」とか…回数が近づいてくるとカウントする声も大きくなる。こ、これがモチベーションか…って実感するわけです。
まぁ自衛隊の場合は、目標の回数だけ腕立てをやれば訓練が終わる…というシンプルな構造をもっていませんで、例えば腕立てが30回やるとして、29回までカウントが終わったとします。すると次は30…『腕立てが終わる〜。オラ、ワクワクすっぞ』って期待するでしょ。でも、違うんです。
次のカウントは「29.1」とかいう自然数の概念をバズーカでぶっ壊した世界線が待っていたりするんです。
脱線が過ぎたので、元に戻して
「あと一歩でゴールだぁ」のように目標に近づくほど意欲や行動が加速する現象(心理的メカニズム)を目標勾配仮説(Goal Gradient Hypothesis)といいます。
目標勾配仮説は、イェール大学の心理学者だったハル(Clark Leonard Hull)教授によって提唱されたもので、正確には仮説でいいと思いますが、目標勾配(Goal Gradient Effect)という人もいます。
自衛隊に限らず、ビジネスでもあるじゃないですか「プロジェクト終盤にさしかかると急にエンジンがかかったように神がかってチームの生産性が上がっていく」現象って、あれですよ、あれ。
目標勾配を活用する方法としては、0から始めないで途中から始めたり(お店のスタンプカードで、あらかじめスタンプが押してあるやつってありますよね。あれです)、ゴールを分割しまくってその都度・締め切りを設定(「困難は分割せよ」&「ピリオダイゼーション」)する…などがありますね。
ゴールの分割は、ゴールに辿り着くごとに「小さな成功体験」が積み重なるので、複数人で行うプロジェクトならメンバーの自己効力感が高まります。困難に直面した際も、ゴールを分割しただけ困難の特定がしやすくなりますね。
もちろん『挑戦を続ける限りあなたにできないことはない。』(アレクサンドロス大王:Alexander the Great)って格言があるから、勝手に期間を区切らなければ、失敗することもないって考え方もありますが…。