行列が高等学校のカリキュラムから外れて10年ほど経ちますが
「文系の大学生に」行列の授業をしてきました。
前職(防衛省海上自衛隊)でも前々職(代ゼミ)でも
行列の授業を担当する機会がなかったので、
振り返ると(行列を)教えるのは20年(※)ぶりです。
※ 20年前に行列の授業を担当したのは、
早稲田アカデミーという自衛隊色満載の塾で時間講師をしていたときです。
近年では行列は、高等学校の理系でも学習しない単元ですが、
大学では理系のみならず文系も使います。
データサイエンスやAIという言葉をよく耳にする昨今ですが、
行列(線形代数)を避けて、データサイエンスやAIはできません。
(高等学校では)行列をカットされ、ベクトルは今後理系のみとなるので、
どっちも大学で履修する…となると、負担があります。
もちろん行列やベクトルを大学で教えることはできます。
しかし、高等学校のように具体例を多く紹介したり、
演習時間をみっちり取ることはできないので、
何を教えるのか?教えないのか?…悩むばかりです。
統計を重視するカリキュラムも分からなくもないのですが、
せめてベクトルは高等学校でやってもらいたいものです。
画像は、我が大学で比較的多くの学生が入る教室です。
この教室で黒板をガンガン使っているのは私だけだそうです。
時代が新しくなろうと
数学を学ぶ上で1番のツールは黒板だと私は思っています。
以下で尊敬する東大の河東先生の言葉を引用します。
『そもそも黒板などにこだわるのは時代遅れの守旧派だという意見がありそうだが,私の意見では数学発表について今のところまだ黒板以上の効果を持ったデジタルツールは,広く使われているものの中にはないと思う』(原文ママ)