世の中、やったことが無いのに批評や批判ばかりする人…というのがいるものですが、それってどうなんでしょうか?

例えば、『TOEICを受けたことが無い人がTOEICの効率的な勉強法を語る』や『大学受験をしたことが無い人が大学を語る』…みたいな話。

まぁ冷静になれば、そんな人の話しって誰も聞かないですよね。だって「机上の空論」ですから。
でもね。『TOEIC』や『大学』だったら分かることが、それ以外だと途端に分からなくなるんです。

例えば、『公務員になったことが無い・公務員試験を受けたことすら無い人が語る公務員になる方法や勉強法』
これ、世の中に溢れているんです。というか、むしろ公務員受験業界はこればっかりです。

書店に行って公務員試験の対策本を眺めてみて下さい。公務員になったことがある…なんておろか、公務員試験を受けたことが無い方が勉強法を雄弁に語っているんです。
で、もっともらしい勉強法や科目の攻略法(*)を書いている。でもね。受けたことが無いから、そんな方法でやったら時間が足りないよ~ってモノばっかりなんです。特に一般知能系は…この傾向が強い…どころか、これだけしかないのでは?。でも悲しいかな、それが売れていたりするんです。
* こういうのをハルシネーション (hallucination:もっともらしいウソ) と言ったりします。

公務員関係の受験対策(特に書籍)ものがトンデモナイのは昔からですが、実はもっとひどいのがあります。それは『大学院』関係。

『大学院生になったことどころか、大学院受験をしたことすら無いお方が大学院を批評する』こと。
これが公務員批評の比じゃないほどあって、トンデモナイ情報で溢れかえっているんです。
よくある例なら「学歴ロンダリング」関係ですかねぇ。多分どっかの困った炎上系動画が発端なんでしょうが…

ある動画ではこんなやり取りがありました。
大阪大学を卒業して神戸大学大学院生になった学生に対して

『あら、大学院はランクが落ちたんですね』

こんな失礼極まりない発言を平気でなさる。もちろんこの発言によって発言者の『大学院受験業界の知識は素人と同レベル』であることが確定しているんですが、日本で大学院のことを知っている人となるとそれなりに少数派になるので、正確な情報が伝わらず、嘘であっても動画の情報が信じられてしまう。
いつの時代でも金を払わない客ほど文句をいうのは変わりませんが、誤情報を流しまくられて困るのは、大学院に通って研究や勉学に勤しんでいる方々ですから、一生懸命に研究や勉学をしている人の足を引っ張んないでもらいたいもんです。

あと、個人的に…国立大学出身者によるいつまでも『国立大学に入った私は偉い』思考は辞めた方がいいと思います。
そういう『国立大学に入った私は偉いんだ』という自慢話を聞かされている側としては『大学校に入って親に1円たりとも学費を払ってもらっていないどころか、親に仕送りしていました』くらいの武勇伝はほしいです。そのくらいのことをしていたら、自らが名乗らなくても周りの方が勝手に「偉い」って言ってくれると思う。
本人が『国立大学を出た私は偉いんだ』って言わないと周りが勘付かないってことは、そう思っていない(国立大学に入ることは偉いことだと思っていない)ってことです。

個人的な感情はさておき『国立大学に入った私は偉い』って思考は
『国立大学には共通テストが必要』…①、『国立大学は学費が安い』…②、『入学者が国立の方が少ない』…③
という3つの前提条件に支えられていると思いますが、この前提条件が大学院では成り立ちません。

①の大学院受験に共通テストはないし、②の国立大学の大学院が私立大学の大学院より安いってことなく、③の入学できる人数は、私立大学の大学院より国立大学の大学院の方が多い場合がほとんどでしょう。
②について、国立の大学院よりも学費が安い私立の大学院はいっぱいあって(中には無料なんてのもある)、見かけ上は私立の方が高く見える学費も、(返還不要な)助成金のようなものを利用すると、国立より安い私立の大学院なんてザラにあります。大学院に入ったことが無い方が情報を流す場合、こういう大事な前提条件がごっそりぬけているんですよね。

動画系でコンテンツを作っていると、どうしても更新するのにネタがなくなってきて、知らないことまで無理やりコンテンツにしたがるんですが、さまざまな歴史からそれは失敗することがわかっているので、控えた方がいいと思います。賞味期限を消費期限に無理やり変える行為になりますよ。

あ、あれ?もしかして「コンテンツ作りに関する」歴史をご存知ないの?
歴史で知っていることは大学受験に出題される内容だけで、他のことはご存知ないの?
そんなんじゃ、お受験でだけで終わった人って思われますよ。