2019年7月1日(月)~5日(金)にカモンFM(Come on!FM)の
『30万人のドラマ ~あの人に逢いたい~』に出演しました。
当日の内容をこちらに再現してみました(当日の放送のイメージです)。
尚、パーソナリティの米倉奈津子さんは6月でCome on!FMをご卒業されました。
2019年7月3日(水)「海上自衛隊数学教官・3級賞詞」
30万人のドラマ今週のゲストは防衛省海上自衛隊小月教育航空隊数学教官の佐々木淳さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
紆余曲折あって、代々木ゼミナールの講師(以下:代ゼミ)に採用されたものの、たまたま見つけた防衛庁のパンフレットで数学教官の募集があったのを見つけたのですよね。
はい。採用パンフレットで偶然見つけました。
当時、仙台から山口に行こうと思ったきっかけは何だったのですか?
1つは、代ゼミ講師としての不安ですね。当時(2005年)代ゼミが傾き始めたわけですが、私が授業に自信があったら代ゼミに残っていたと思うんです。ただ、そうではなくて10年20年、代ゼミの講師を続けるのは厳しいかなと不安に思ったことがきっかけの1つです。
そうなのですね。
もう1つは、私が就職活動をしていた2005年は就職氷河期ということもあって、両親が公務員になってもらいたいという希望がありました。
就職氷河期で大変でしたね。
私が一番なりたい職業は代々木ゼミナールの講師で夢はかなったので、両親がなってもらいたい職業に就こうと思ったのもきっかけの1つです。というのも、それまで、両親がやってほしいということが実力不足で何一つできませんでした。最後は親の敷いたレールに積極的に乗りました。
そうだったんですね。
最後は、なんとか両親の望んだことができたのかなと思っています。「親の敷いたレールの上を歩く人生なんてまっぴら」という声をよく聴きますが、私は親の敷いたレールに全く乗れなかったので、ギリギリセーフで乗った感じです。
そうなんですね。防衛庁(現:防衛省)の数学教官になられたのは何歳だったのですか?
25歳です。
本当に若くしてなられたんですね。
そうですね。
25歳のときから、勤められたのは山口県だったのですか?
はい。そうです。そのため、私の山口県歴は14年目になりました。
長くなりましたね。
はい。気付けば14年目で長くなりました。
ラジオをお聞きの人の中には、防衛省の海上自衛隊小月教育航空隊で数学教官?
と「?(はてな)」が浮かんでいる人がいると思います。どういった学生さんを教えられているのですか?
私の教えている学生は航空学生と言いまして、海上自衛隊でパイロットを目指している候補生です。
そうなんですね。
パイロットというと航空自衛隊が真っ先に浮かぶと思いますが、海上自衛隊のパイロット候補生に数学を教えています。
パイロットになるためには事業用操縦士の資格が必要となります。
車の免許を取るときに、学科試験と技能試験あると思います。
車の学科試験の航空機版が事業用操縦士の学科試験のイメージですが、その試験で理系の素養が必要になります。
学生さんは何人くらいいるのですか?
大体1学年70人~80人くらいで、年によって人数に増減があります。
全部で何学年あるのですか?
以前は2年間の教育だったので2学年ありました。現在は、教育期間が短縮されて1年4か月になりましたので、2学年いるときもありますし、1学年しかいないときもあります。
その中で、学生は色々なことを学ばれわけですよね。
はい。
数学はどのくらいの時間があるのですか?週に何時間ほどあるのですか?
1つのクラスで6時間から8時間くらいあります。中学校や高等学校の年間通してスケジュールが決まっているわけではないので、増減します。週によっては訓練でずっと学生がいないということもあります。そういうときは数学の授業はありません。
わりとみっちり数学をされるんですね。
そうですね。学生はみっちり勉強をしています。
レベルは大学で学ぶくらいの内容なのですか?
はい。初めは高校生で学習する内容の復習もありますが、大学の初年度・教養課程で学習する内容です。一生懸命、学生は勉強しています。
その中でテストがあるのですね。
はい、そうですね。
飛行機を実際飛ばして操縦するわけですから、本当にみっちり勉強を身に着いけないといけないのですね。
そうですね。もちろん、数学を苦手とする学生もいるのですが、目的が「パイロットになること」と明確なので、一生懸命取り組んでいます。一生懸命頑張っていると、苦手であっても急に伸びていくんです。
やはり人間必要になれば、できるのですね。
そうですね。努力した分はちゃんと積み重なっていきます。
そういう学生をご覧になっていってどうですか?
一生懸命直向きに頑張っている姿は、いつ見ても感動します。心が動かされます。
特に、小学校の算数、中学校・高等学校の数学が苦手だった学生ができるようになると
「できなかったもの」が「できるようになる」ので自信がついていくんです。
そうなんですね
その自信が本人を奮い立たせて行動させているように感じます。こういう克服で人が変われることを私は学生からいつも教えてもらっています。
数学をただ勉強するのではなくて、数学を通して自信を身に着けてもらいたいと日々思っています。
佐々木先生に教えてもらったから、ということでドンドン成績も伸びていったのだと思うんですよ。というのも佐々木先生は3級賞詞と呼ばれる、私たち一般の市民にはよく分からないのですが、自衛隊の中で、賞を受賞されているんですね。どのような賞なのですか?
これは私自身だけではなく、上司や同僚の方々からサポートを頂いてもらった賞なんです。
賞詞というのは、特別賞詞と第1級から5級まであります。特別賞詞は今だ誰ももらったことがないんです。
幻の賞詞なのですね。
はい。第1級賞詞もまず貰えません。普通の隊員がもらった例は、オリンピックで金メダルを取るとなどです。第2級もそれに準じています。
そうなのですね。第3級賞詞もやはり、なかなか貰えないものなのですね
第3級賞詞も普通は司令や隊長のような指揮官の方しかもらえません。普通の会社であれば、部長や課長のような方が大きな成果を得たときにもらうイメージです。普通の隊員がもらうときは、どこかの大きなスポーツ大会で優勝したときなどです。
そうなのですね。
なので、私の実力で貰えるものではないので、上司や同僚に恵まれて頂いたと思っています。
先ほど佐々木先生がおっしゃった学生が頑張って成績が上がったというのもあると思うんですが、みんなの力の結晶のような感じなのですね。
そうですね。チームプレーで頂いたと思っています。
そういった賞を受賞されて、今は数学教官というお仕事にますます満足されていますか?
そうですね。私は1年目から仕事には満足しながら、やりたい仕事をさせて頂いています。
そのため今の職場には感謝しかありません。
そういうお仕事をなさっているのが、今週のゲスト防衛省海上自衛隊小月教育航空隊数学教官の佐々木淳さんです。佐々木先生は本も出されているので、その話は明日お伺いしたいと思います。佐々木先生明日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。