放送大学の面接授業にお邪魔して、20年ほど前に習った先生の講義を取ってみました。(20年経つといろいろ変わりますな。)
講義名は『数学と証明』
シラバスは骨太の内容でしたが、実際の内容は結構大学受験数学でした。
もちろん実数の完備性や全単射とか大学で習ったであろう内容も少しはありましたが、無限降下法やヤングタブロー(ヤング盤)、委員長公式とか大学受験っぽい内容が結構多かったです。私は大学受験数学が大好物なので楽しくて仕方がないんですが…。
実用と対比されやすい受験数学っぽい内容ですが教室は満員盛況、受講生の大半はシニア層で純粋に数学を楽しみたい方が多そうなイメージでした。
やはり勉強って内発的動機付けが最強だと実感した次第です。
もちろん初動は外発的動機付けで、内発的動機付けにシフト(エンハンシング効果)でもいいと思っていますが…。
授業内容を一部追記
高等学校で円順列って習いますよね。異なる\(n\)個のものを円形に並べるのときの順列の総数は\((n-1)!\)になるってやつです。
高校の教科書では、具体的な数(例えば\(n=4\)、単位は「人」など)を用いて順列を数えて、重複している分\(n=4の場合は4\)を割るから
\(
\displaystyle\frac{4!}{4}=3!=6
\)
ってやるわけですが、いつしか慣れて \((4-1)!=3!=6\) と「公式をダイレクトに用いる」になったり、4人のうちの誰か1人を固定したときの並び方の総数を見れば良いので \(3!=6\) のような意味づけをしたりして容易に問題が解けるようにするんですが、なんだかんだこれって公式の暗記・再生なんですよね。
「数学と証明」ではその点について言及していて重複する4は同値類で、答えの6は代表元の数って捉えると、あら不思議、代数学の考え方にもつながるんですね。とっても勉強になりました。
それと同時に円順列の問題は、公式を使って\((n-1)!\)ってやるのも、誰か1人を固定して\((n-1)!\)とやるのも問題を解く上ではいいけど、大学数学への接続(高大接続)も意識したら\(\displaystyle\frac{(n-1)!}{n}\)と書くのがむしろ自然な気がしてきました。