日本では視力の表現を1.0のように小数で表しますが、海外では異なります。
表示の仕方は国によってまちまちですが、例えばアメリカでは20/20って表すんですよね。約分したら1.0やろ…って言われたらそれまでですが、この20は「20フィート(6.096メートル)という「ちゃんと」意味があります。
20フィート(6.096メートル)離れた場所にある文字が普通に見えること(「正常視力」といいます)を基準にしているんです。
例えば 20/40 は、本来40フィート(約12メートル)先から見えるものが、20フィート(約6メートル)まで近づかないと見えないという意味で、日本の視力表記では「0.5」に相当します。
一方、20/10 の場合は、本来10フィート(約3メートル)先で見えるものが、20フィート(約6メートル)先からでも見えるという意味で、日本の視力表記では「2.0」に相当します。
よくよく考えると、私達日本人は「視力1.0ってどのくらいいいの?」って問われたら、「ちゃんと説明できない」気がする。なお、日本ではランドルト環までの距離が5mに設定されています。
で、視力を表す20/20を使ったことわざっていうものもあって、それが今回のタイトルで紹介した「Hindsight 20/20(馬鹿の後知恵)」で、Hindsightの意味は「後知恵」です。
物事がうまくいかなかったことが分かったときに後から「あ〜すればよかった!こ〜すればよかった」と言いたがる人はいつの時代にも大量にいますが、答えが出てからアドバイスすることなんて誰でもできます。それを表す言葉が「Hindsight 20/20(馬鹿の後知恵)」です。
「あ〜すればよかった!こ〜すればよかった」という発言の背景には「事前予測」がありますが、そうなら「問題が起きる前に言ってくれ」って話です。
Hindsight 20/20(馬鹿の後知恵)も後知恵バイアスの一種ですが、後知恵バイアスの困ったところは、振り返ったときに「架空のドラマをでっちあげ始める」ころにもあったりします。うまくいかない出来事を振り返ったときに「予兆はすでにあった」とか言っている壮大なストーリーテラーがあなたの周りにもいませんか?