放送大学・群馬学習センターにて「応用線形代数」の面接授業(シラバスはこちらです。)を受講しました。放送大学・群馬学習センターでの面接授業も、最寄り駅の前橋駅に来るのも初めてどころか、群馬県入りしたこと自体が初めてです。
「応用線形代数」の受講者は、13人という少数精鋭っぷりで、よかったですよ。

担当の松浦勉先生は甘利俊一先生のお弟子さんだそうです。
最近AI界隈の方で甘利俊一先生を知らない人はモグリかニワカ…と誰かが言っていたと記憶していますが、私が先生のお名前を初めて聞いたのは「情報幾何」の分野で、AI界隈でもすごかったこと(バックプロパゲーション関連)を知ったのはずっとずっと後(要はつい最近)です。なので、私もAI界隈ではモグリかニワカですね。まぁ、数学も数学教育についてもモグリでニワカですが…。
もちろんジョン・ホップフィールド教授とジェフリー・ヒントン教授のノーベル賞受賞の裏話・こぼれ話…的な話も講義中は出てきていて、両氏から甘利先生にお礼の連絡があったんだとか…。
甘利先生は理論には興味があるけど実践やプログラムのようなものにはあまり関心がなかったようで、それが時の表彰につながったか否かになったのかもしれませんが、先生自体さまざまな賞をいただいているので、気にされていないようです。

話は戻して、松浦先生曰く「容易な証明問題は板書で解くものの、難しいものは学生に任せる」のは甘利式なんだそうで、お師匠さまのやり方に沿って講義を進めていました。

放送大学らしからぬ、そこそこ証明をしながらの授業でしたが、標準的な数学科の授業に比べると大分丁寧で分かりやすかったです。
ただ非数学科出身がほとんどの放送大学の社会人学生に三角不等式をさらっと使ったり、「実対称行列の固有ベクトルの直交性の証明(*)」は簡単だからできるよね…的なノリにはさらっと進めるのは少々驚くのでは? 私の大学1年の頃なんて(*)の証明は「キツネにつままれた感」がしていましたから…。

\(\boldsymbol{x_k}\cdot (A \boldsymbol{x_{\ell}})=\boldsymbol{x_k}^T (A \boldsymbol{x_{\ell}})=\boldsymbol{x_k}^T A \boldsymbol{x_{\ell}}=(\boldsymbol{x_k}^T A^T) \boldsymbol{x_{\ell}}=(A\boldsymbol{x_k})^T \boldsymbol{x_{\ell}}
=(\lambda_k\boldsymbol{x_k})^T \boldsymbol{x_{\ell}}=\lambda_k(\boldsymbol{x_k}\cdot \boldsymbol{x_{\ell}})\)

以下、忘備録(私の放送大学面接授業歴)
1.数学の言葉(@山口)
2.確率論入門(@東京文京)
3.古典作図 (@大阪)
4.算数・数学教育概説(@埼玉)
5.数学と証明(@東京文京)
6.「統計的思考」入門(@埼玉)
7.応用線形代数(@群馬)