2021年11月17日に埼玉県立浦和高等学校の
総合学習・アドバイザリーグループで実用的な数学のお話をしました。
コロナのためオンラインでの登壇でしたが…。

埼玉県立浦和高等学校

アドバイザリーグループ内で
「ケアレスミスをなくすには」というテーマがありましたので
私見を少し述べたいと思います。

受験では些細なミスをケアレスミスと一括りにしますが
私はいろいろ分類ができるかな?と思っています。
ケアレスミスはざっくり
「計算力があるか・ないか問題」
「慣れているか・いないか問題」
があると思います。

まず計算力があるか・ないか問題ですが、ケアレスミスを口にする人や数学を苦手とする人の多くが計算力があまりなかったりします。
そろばんで段位を持つくらい計算力があるけど、数学が大の苦手な人やケアレスミスが止まらない人にお会いしたことがありません。

そのため計算力がない場合は、計算力を養うことが大切です。
大学受験の数学であれば、微分や積分の問題を数多くこなして(特に定積分)計算力を養うのがおススメです。(微分積分の慣れにもつながるので一石二鳥)

学校の先生の解説でよくある
「この方法だと計算が大変になるので、違う方法で…」
みたいなものは、あえてメンドクサイ計算してみてください。
メンドクサイの相場観が分かり、計算力向上に役立ちます。
メンドクサイ計算という名の数学的実験は、失敗を通して得る学びに通じるものがあると思っています。

計算力があるのにケアレスミスがある場合は
「慣れているか・慣れていないか問題」
で慣れていないだけの可能性が高いと思っています。

計算力があっても全く初見の問題は「慣れていないから間違える」こともあります。
この間違い(失敗)は理解を促進する際に重要で、良い間違いと思っています。
理解を促進するための間違い(失敗)は大切です。
間違いを通して気づくことがある…という感じでしょうか?
なお「間違って気づく」が一番活きる領域はプログラミングです。

大学受験をする場合、本試験以外のケアレスミスなんてかすり傷なので、計算力を養う・問題に慣れる…などで、自己能力を研鑽しましょう。

計算力が養えて、問題に慣れてきた場合、ケアレスミスをしそうになると第六感が働き「何かが違う」と感じるものです。
その時に、解いている問題を中断して、やり直してみるそんな能力が数学では大切だと思っています。

大学受験などで、数学が高得点の人は
計算ミスをせずパーフェクトに解答を書いている人ではなくて
(↑ 一部そういう人もいますが…)
ケアレスミスをしそうになると、何か変だな?と勘が働き
修正できる能力を持っている人だと思います。

ケアレスミスに限らず人間はミスをします。
ミスを物理的になくそうとするのは相当難しくて「ミスしているな…」と察知して修正する能力の方が身に付きやすく、将来役立つと…私は考えています。
その身に付け方は、数学の場合は前述の通り、強靭な計算力と豊富な経験による努力と思います。

よく数学の先生にありがちな「数学の先生って、計算が苦手だったりするんですよ」
…みたいな発言は鵜呑みにしないほうがいいです。
こういう発言をする人は、天才肌の人か、謙遜している人か、天才って思われたい中二病の人のどれかです。

というのも、計算力がない状態で数学の問題を解くというのは、英語の長文を単語を知らないで読もうとする行為のようなものだからです。

私、英単語をあんまり知らないけど、長文サクサク読めちゃうんですよ。
単語帳で勉強なんてしたことなくて、長文読んだら自然と覚えられちゃうんです。
…という方に該当すると思います。そんな優秀な方も0.1%くらいはいるのでしょうが、凡人が天才の勉強法を真似すると往々にして火傷します。

補足して、つぶやきながら(説明しながら)の勉強は、とてもいい勉強です。
英語の音読は「英語を英語のまま理解」を促すのにとても良いように、数学の音読(つぶやきながら、説明しながら)は、理解の促進や、理解があいまいな部分を掘り起こしてくれるのでとても良いです。
参考キーワード:ファインマンテクニック