2019年7月1日(月)~5日(金)にカモンFM(Come on!FM)の
『30万人のドラマ ~あの人に逢いたい~』に出演しました。
当日の内容をこちらに再現してみました(当日の放送のイメージです)。
尚、パーソナリティの米倉奈津子さんは6月でCome on!FMをご卒業されました。
2019年7月4日(木)「出版のきっかけ」
30万人のドラマ今週のゲストは防衛省海上自衛隊小月教育航空隊数学教官の佐々木淳さんです。今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
山口県に来られて14年目ということで、数学教官歴も同じですね。
はい、そうですね。教官歴が14年目になりました。
お仕事にも満足していらっしゃると聞いています。そんな佐々木先生が今年になって『身近なアレを数学で説明してみる 』「なんでだろう?」が「そうなんだ! 」に変わる』という新書の本を出されました。これは佐々木先生が出版したいと思って出したのですか?
「出版したい」という思いから今回の出版に至ったわけではありません。いろいろ紆余曲折とご縁がありまして出版に至りました。私の出版のきっかけは脈絡が見えないと思いますが、東日本大震災にあります。
私は宮城県仙台市若林区の荒浜出身で、2011年3月11日に東日本大震災がありました。私の住んでいた荒浜の街は津波で流されました。当然、私の実家も流されています。友人、知人も亡くなりました。その亡くなった友人の1人が、私と小学校で通っていた友人だったんです。
そのとき初めて「生きていることは、当たり前のことではない」と実感しました。その亡くなった友人のエピソードを、地元の友人に聞いたんです。亡くなった友人は当時、宮城県ではなく秋田県に住んでいました。「秋田県の方が東日本大震災で亡くなる」と聞くと、少し疑問になると思うんです。
少し場所が離れている感じがしますね。
亡くなった理由を地元の友人に聞いたんです。東日本大震災の日付と時間を覚えている方が多いと思うんですが、曜日を覚えている方はおられると思います。何曜日だったか、覚えていますか?
何曜日だったのですか?
金曜日だったんです。
学校の授業があったときでしたね。
金曜日に休みを取って、金・土・日の3連休にする方はいると思います。
亡くなった友人は金曜日に休みを取って、実家の宮城県仙台市若林区荒浜に帰ったんです。
実家には友人のお姉さんとお姉さんの子供がいました。どうやら土曜日にお姉さんの子どもと遊ぶ約束をしていたようです。
3月12日の土曜日にお姉さんの子どもと遊ぶために、前日3月11日の金曜日に実家の仙台市若林区荒浜に帰ったんです。実家に着いた時間はお昼過ぎと聞きました。友人が実家について、少し時間が経ったら東日本大震災が起きたんです。
亡くなった友人には「3月12日の土曜日に、必ず楽しい時間がやってくるはず」だったんです。そのとき『私たちが生きている何気ない時間は、本当は誰かが生きたかった時間なのだ』と実感しました。
同時に使命・ミッションといいますか、命の使い方を初めて意識しました。
そのとき、テレビをつけたら自衛隊が活躍してクローズアップされていたんです。
そうでしたね。
丁度、私の教え子の第1期生が活躍し始めたのが、東日本大震災の時期と重なっていたんです。そこで、自衛隊が活躍している姿・任務を多くの方々に届けていきたい、使命にしたいと思うようになりました。
合わせて当時、少子化の影響もあって海上自衛隊航空学生の志願者も減ってきていたんです。それを何とかしたいという思いもありました。まず、広報活動の一環として基地のホームページを作りかえました。
ただ、ホームページを作ったことが無い人間がいきなりホームページは作れません。そこで、ホームページの書籍を買って勉強をしたり、外部でホームページ作成の勉強会に参加したりしていました。
外部のホームページ勉強会に参加したとき「広報の勉強もしたほうがいいですよ」と参加していた方からアドバイスをもらい、広報に関係するセミナーに参加し始めました。
広報に関係するセミナーに参加したとき、その講師から
「人って宣伝に耳を傾けないんだよね」と言われました。続けて、その講師から
「あなたはキャリアが面白いから本を書いたらいいと思うよ」と言われました。
というのも人が本を買うとき、著者のプロフィールを見ることが多いので「海上自衛隊でパイロット候補生に数学を教えている」って見たら、多分気になると思う。そうしたら、自然と海上自衛隊の募集に繋がっていくと思うんだよね、とアドバイスをもらい、そこから出版に関するお話を聞きに行き、勉強会に参加するようになりました。
そのような勉強会に参加していくうちに、出版社の編集者にも会うようになり、本を出版するに至りました。
数学教官として本を出してみたらいいんじゃないですか?というアドバイスがあったわけなんですね。
そうですね。アドバイスがきっかけです。また、私が本を出しているSBクリエイティブ社は自衛隊のOBの方が結構本を出されているところなので、出版の後押しになりました。
SBクリエイティブ社のサイエンス・アイ新書ですね。
はい。SoftBankの系列の出版社で元々はSoftBank クリエイティブという名前でした。SoftBankが短縮されてSBになっています。