久々に読み返した市川伸一師の『勉強法が変わる本』にある内容で「確かに…」と思ったことがあります。 ↓

『大学生に聞いてみると,おもしろいことがある。理科系の学生は「社会科は暗記することが多くてつまらない」と言い,文科系の学生は「数学は覚えることが多くてつまらない」とぼやくのである』
引用:『勉強法が変わる本』(p.56)、市川伸一(著)

私は意外にも高校生の時、「数学」の次に好きなのは「社会科」だったんですが、無理くり暗記してた…って記憶があんまりなかったです。
教科書を何度も読んでたら、結果的に「覚えた」みたいな感じでしょうか(この勉強法は、私が高校生の頃にベストセラーだった『「超」勉強法』に載っていた方法…と記憶しています。)

理系で数学好きの人は、公式とやらをほぼ覚えていなくて、公式の導出過程を毎回やっているか、それを何度もやっているうちに結果的に覚えてしまった…みたいな感じなんだと思います。
あ、もちろん丸暗記をしていた公式もありますよ。私の場合は「加法定理などはしっかりゴロ」で覚えていました。(そんな勉強法に対して、きっちりとご指導してくれたのは、私が現役生だった頃の東京大学の問題[1999年]

どの科目も「覚える要素」ってあると思うんですが暗記は暗記でも、「無理やり覚えた」と「結果的に覚えた(覚えてしまった)」などの違い(ざっくり言えば、前者は「理解なき暗記」、後者は「理解ありの暗記」でしょうか?)が、文科系と理科系でそれぞれ交差していることを「大学生のぼやき」で紹介しているのではないかと?

まぁ学習の初めだと、「理解なき暗記」もある程度は必要だったりしますので、何でもかんでも「理解して」というには無理がありますが、暗記一辺倒になると「大学生のぼやき」に繋がりそうですね。

とは書きつつ、最近社会人(ビジネスマン)の勉強法で流行っているのが結局「暗記による勉強法」(その中でも「アクティブ・リコール」)だったりするので、カップラーメンを作るように「速攻で結果が出る(ように見える)勉強法(丸暗記のこと)」は、受験生・大学生にとって魅力的に映るのは仕方がないことかもしれませんが…。

そんなことをSNSでぼやいていたら、知人の某先生に「ずっと持っておきたいものと使い捨てのものとで,学び方も違うのではないでしょうか.」とクリティカルなご教示をいただきました。確かに。PCもAIも使えるんですから、知識の持ち方に多様性があってもよいですね。

加法定理の証明(東京大学)

\(\qquad (1) 一般角\thetaに対して,\sin\theta、\cos\thetaの定義を述べよ。\\
\qquad (2) (1)で述べた定義にもとづき、一般角\alpha、\betaに対して\\
\qquad \qquad \qquad \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta \\
\qquad \qquad \qquad \cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta \\
\qquad \qquad を証明せよ。\)

(出典:1999年の東京大学の第1問目)