2月16日に2年ぶりにTECUM 数理教育セミナーに参加して参りました。 駿台予備校のベテランかつ人気の先生もお二方も参加されていました。(あ、どちらも私が受講したことのある先生) 開催場所は日本大学文理学部の数学教室、最寄りが下高井戸駅で、どちらも初めて伺った場所でした。 丁度今回から「いまさら聞けない」学校数学シリーズが始まるということでタイミングが良かったです。 今回の数理教育セミナーで取り・・・
「数学教育関係」の記事一覧
数学の答案で見かけるDAI語や省略って何とかならないですか?
私は数学の答案の分析(主に誤答分析)が専門なので、学生の答案をよく見ますが数学の答案で見かけるDAI語(謎の省略語)や過度な省略って何とかならないんでしょうか? 答案の話、特に採点関連はXでよく火災が起こる(↓のポストのように)ので触れたくないですが、正月早々から独り言、いや…愚痴を呟いてみようと…思います。なお、数学の採点っていうのは、東京大学の河東先生が著書『数学者の思案』で述べているように採・・・
行動すること・チャレンジすることに意義がある
年内の授業はクリスマスイブに終わりましたが、私にとっての中ボスとラスボスはまだ残っていました。 もちろん中ボスは「査読付き論文の投稿」、ラスボスは「投稿論文のRevision(修正)です。」 先ほど(12月27日17時30分)無事…かどうかは別にして、強引に「えいや」っと(数学教育系の)論文を投稿して参りました。 最後の「えいや」って感覚は、著者なら書籍の脱稿に近いかもしれません。 なんだかんだで・・・
数学教育などの学会で見かける「ぐるぐるの図」について
算数教育や数学教育関連の学会に参加すると必ずお見かけする「ぐるぐるの図」について、補足したいと思います。 ぐるぐるの図は、次のようなステップがあります。 \(A_1\):日常生活や社会の事象を見つける まずは身の回りにある「気になること」「解決したい問題」を見つけます。たとえば「旅行の費用を安くするにはどうしたらいいか?」など、リアルな問題が出発点です。 これを「数学的に見立てられそうな要素は何・・・
数学が役に立つ・役に立たないに対する斜め45度の回答
あらかじめ言い訳しますが、私は数学が役に立つと思っていて、実際に役立てている人間です。 数学教育の学会に行くと、ほぼ100%の確率で見かける『ぐるぐるの図』というものがあります。 「ぐるぐるの図」は見慣れてしまうと水戸黄門の印籠と化してしまう感もありますが(心理学系のクロンバックのα係数もこれに近い)…、日常生活や社会にある事象を「数・図形・式」などを用いて「数学的に表現や処理」をして、そこから導・・・
数学が嫌になる瞬間とは、定期テストの採点にて
(画像はイラストACから) 数学という科目は好き・嫌いがはっきり分かれる科目ですが、嫌いになる瞬間ってパターンがあると思います。要は理不尽なんですが、その中の1つに採点があるのではないでしょうか? 数学の採点は、東京大学の河東先生が著書『数学者の思案』で次のように述べているように採点者の趣向が大きく表れます。 「数学は答えが一つであり、採点は容易と思っている人が多い。しかし、まったくそんなことはな・・・
全国数学教育学会の第61回研究発表会(関東学院大学)で発表しました
12/14と12/15は全国数学教育学会の第61回研究発表会で、関東学院大学(@金沢八景キャンパス)に行きました。 (正確には12/14の午前中は、数学教育学会の冬季研究会に参加で学習院大学にいたので、学会またぎをしていたわけですが…) 関東学院大学は小泉進次郎さんの母校で、出身地を聞くと都道府県じゃなく市を回答される某地域にあります。最寄りの金沢八景駅からちょっと歩きますが(弊学くらい歩くかな?・・・
cosθの合成がセンター試験で出題され日本列島が沸いた日
私が高校2年生の頃、国民的某一斉試験の数学IIBでcosθの合成が出題され「日本列島が沸いた」ことがあります。それほど当時の受験生はcosθの合成が「びっくりするほど」できなかったんですね。 あまりにもインパクトが強すぎたせいか、その後「ほぼ全国一斉」で(大学受験向けの)数学の授業では次のいずれかもしくは両方が行われました。 ①「三角関数の合成は、三角関数の加法定理の逆である」という(当然すぎる)・・・
生成AIが間違ったアウトプットをしたときの対処で教育者の本性が出る
変化への対応の遅い(頑健性が強い)のが教育業界の常ですが、流石に生成AIを全く使ったことが無いという方(教員)はあまりおられなくて、ちょくちょく生成AIに関する教員の文章(投稿)も見かけます。(…といっても、使ったことがある生成AIはChatGPTだけ…という方が大半かもしれませんが…。) その投稿の中には「ChatGPTが回答を間違った場合」に関するものもあったりするのですが、それを見て思うんで・・・
太宰治『正義と微笑』の名言で考える「勉強の意味」
私が大学受験生だったころ、偉人の名言・格言に何度も救われた記憶があります。 最近は名言・格言をあまり見にしなくなったなぁと思っていたら、太宰治の名言が目に飛び込んできたので紹介します。 (追伸:知人の高校の先生方は、結構引用されているようです。) 今から80年以上も昔の1942年に刊行された『正義と微笑』に登場する英語教師黒田先生のセリフから。 「勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、・・・