変化への対応の遅い(頑健性が強い)のが教育業界の常ですが、流石に生成AIを全く使ったことが無いという方(教員)はあまりおられなくて、ちょくちょく生成AIに関する教員の文章(投稿)も見かけます。(…といっても、使ったことがある生成AIはChatGPTだけ…という方が大半かもしれませんが…。)
その投稿の中には「ChatGPTが回答を間違った場合」に関するものもあったりするのですが、それを見て思うんです。ChatGPTの間違った回答(アウトプット)をしたときの対応で、教育者の本性がでるなぁ…って。
最近はあまりお見かけしなくなりましたが、
「ChatGPTはあれも間違える、これも間違える、AI(コンピュータ)はまだまだ、だねえ~」(注1)
…なんてイキって悦に浸っている教育者を、ChatGPTがリリースされた初期はそれなりに見かけました。
悦に浸るのも結構ですが、こういう教育者って生徒・学生にも大概同じことをしているんですよね。
「おまえ、こんな簡単な問題もできないの、バ〇なの?」と罵倒して、学生や生徒を追い返す教育者っているじゃないですか。この令和の時代にあって「昭和感を爆発させる罵倒」は時代錯誤感・満載で、私がその現場で見てしまったら泡吹いて倒れそうですが、そういうタイプの教育者のことです。
この傾向は、私が(たまに)教える科目である「数学」(注2)に強い傾向があるようでして、更に困りものなのが、その先生方にそういった自覚(←生徒・学生に対してアカハラ・パワハラをしている自覚)がないということだったりするんです。
テレビの報道で、教員がパワハラなどで訴えられたときに「指導のつもりだった」って言い訳しているのを「耳にタコができる」くらい聞いたことがあると思いますが、そういう言い訳を真顔でするのがこの罵倒タイプの人です。
もちろん言葉で「バ〇」とか「こんな簡単な問題もできないの?」と直接言う人は少なくなりました。アカハラやらパワハラで訴えられますから…。
でも「言葉以外(非言語コミュニケーション)」でそれ(「バ〇」とか)を物語る人っているんですよね。雰囲気とか…顔とかによく出ているのかもしれません。
いつも思うんですが、顔面でパワハラしてくる教育者をちょくちょく見かけますが何なんでしょうか?
怖い顔をしたら「かっこいい(クール)」とか「優秀」とか思っている厨二病でも拗らせているのでしょうか?
…話を戻して、
私がここで聞きたいのは、ChatGPTが間違った回答(アウトプット、ハルシネーションを含む:注3)をしたときに、修正を提案されましたか?ということなんです。(私は間違いに対する修正案の提示こそが教育者の使命だと思っています。)
(学校などで)わからない部分の質問をしに来た生徒・学生に対してわかりやすく教えるように、ChatGPTに対しても「丁寧に間違いを指摘することが大事」で、ChatGPTに対してこれをやらない方は、質問に来た学生・生徒を無視したり、「バ〇」、「〇ホ」って罵倒して追い返すことと大差がありません。(注4)
とは書きながら、そういう修正案の投稿をしている方を、ほとんどお見かけしたことはありませんが…、教育者であれば、そういうことが大事なのではないかなぁ~と思うこのごろです。
あ、ちなみに私は自分のことを教育者と思ったことは1度もありませんので悪しからず。
なお、「人間の脳は人称を記憶できない(主語を記憶できない)」と言われるので、ChatGPTの間違い回答に対して罵倒する・無視をするのは辞めて、丁寧な対応を提案をされると自分の脳にも、世界中の方々にもいいと思います。(注5)
また、丁寧な口調で文章を書いている人は丁寧で詳細な回答をし、雑な口調で文章を書いている人は雑な回答をする傾向が(ネット上は)多いようで、そんな文章を学習するChatGPTに対して、雑な口調で質問している人は、雑な回答しか帰ってこないかもしれませんよ。
注1:このような発言をする真意は、自分の仕事が奪われるかも…という恐怖に対する強がりでしょうが…
注1の注:画像認識を主にサポートベクターマシーンでやっていた2010年代初期は、画像認識でいろいろすることなんてまだまだ先お話しでした(学術会でも)。が、ILSVRC 2012でアレックスネット(ニューラルネットワーク)が出てきて一気にパラダイムシフトした例を見ると、まだまだ…なんて評価はとてもできなくて、この評価をしているだけで「AI関連の知識が限りなく0である」ことの証左になってしまうと思います。で、画像認識はできても、さすがに自然言語処理は難しいよなぁ~って言ってたのに、あれよ、あれよと言う間に困難を解決していって、この変化はGPT-2からいじっている私なんかには、驚愕以外の何物でもないレベルだったりするんですが…。(GPT-3のパラメータ数が最大1850億で、この先どうなるんだ〜って思っていたんですが。)
注1の注の注:ILSVRC 2012でアレックスネットを率いて第3次AIブームを牽引することになったジェフリー・ヒントン氏は2024年ノーベル物理学賞を受賞
注2:(2024年現在)の私は、職場ではコンピュータ関連の科目ばかりを担当する情報科っぽい教員になりました。
注3:ハルシネーション(Hallucination)は元来「幻覚、幻影」のことですが、現在は「もっともらしいうそ」の意味で使われることが多いようです。AIのハルシネーションに対して、優しい提案ができていますか?
注4:もしかすると「生徒・学生に対しては丁寧だけど、ChatGPTには雑に返しているだけ」と考える方もいるかもしれません。ですが、それって「私は相手によって態度を変えますよ。人が見てなかったらやりたい放題やりますよ」ってことになりますから、より問題な可能性もあります。
注5:前半部の「人間の脳は人称を記憶できない(主語を記憶できない)」に関する学術的な根拠は見当たらないので、あくまで「そう言われている」「ホンマでっか」な内容です。