【大学入試学会@東北大学青葉山新キャンパス】
9月27日:第40回東北高等教育フォーラム
9月28・29日:大学入試学会第1回大会

に参加してきました。初めての学会ということで、勉学と友人作りを目的にした3日間でした。

東北大学の青葉山が変わり過ぎていて(特に「青葉山新キャンパス」と呼ばれる農学系)、例によって例の如く普通に迷いました。
そのため、挨拶がわりに青葉山新キャンパスをランダムウォークして、なんとか学会の会場である青葉山コモンズに着いた頃には汗だくでした。着いたのは開始5分前(注1)ほど…。
注1:5分前の精神を意地でも維持する前職の職業病が働いたのかもしれません。

私は「大学入試学」についても門外漢なので、学会参加前まで本学会は
『教科教育学と教育測定学、そして社会階層移動あたりを軸にした話題提供がなされるのかな?』と思っていましたが、私の浅学非才っぷりが露呈しただけで、テーマや研究対象は壮大でした。壮大すぎかつ私の知識不足で一言では書けませんが…。

興味・関心がある方は、第1回大会の資料がこちらにあるので、一読されると面白いと思います。

個人的に衝撃だったのは、学会企画シンポジウムにあった南風原先生の指定討論(資料はこちら)にある「共通テストの英語で文法問題や語句整序問題がなくなったプロセス」です。

今回の学会企画シンポジウムで話題があった共通テストの科目は英語と物理だったんですが、ここでは英語の例を紹介します。
共通テストの英語では、センター試験の英語にあった文法4択問題が無くなって、文法が全然できなくなった…という波及効果(ウォッシュバックエフェクト)がすでにチラホラ出てきている(注2)ようですが、これには黒幕(注3)がいたんですね。

よく、共通テストの問題(今回は英語に限定します)に対して「こんな問題に誰がした」って大学教員に向かって叫んだり・怒ったりしている人をよく見かけますが、それは偏見・情報不足による行動だったのかもしれません。
情報をきちんと得ないで議論すると恐ろしい…というのを身をもって実感した次第です。

注2:共通テストから文法4択問題が消え、程なくして早慶の入試問題から(文法の4択問題が)なくなるという波及効果(ウォッシュバックエフェクト)も生じている。
注2の注:(これに危機感を持ったであろう東北大学は、長文の中に単純な文法問題を出題したところ(センター試験では定番中の定番だった問題が)、正答率は半数(5割程度)だった。(冒頭の括弧は、佐々木による憶測)
参考:令和6年度 東北大学一般選抜個別学力試験 出題意図(英語)
注3:よく英語の共通テストについて…予備校の先生方が「センター試験に戻せ!」とお怒りになっているのを見かけますが、データに基づかず、個人のKKD(カン・経験・度胸)に頼って「センター試験は悪いウォッシュバックを起こしている(から共通テストのような問題にしろ)」って言っていたのは、予…以下自粛(参考資料のスライド11枚目をご覧ください)。

参考の引用元:平成29年度英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会(第1回) 議事録

学会の帰りに東北大学の文系キャンパス(川内)に行ったら、閉まりまくっていました。文系と理系でこうも違うのか…と、あらかじめ実感しました。
教養キャンパス(川内北)は、仙台市役所の試験会場になっていて、文系キャンパスは閉鎖でした。